衝動と始まりと

スタジオに入って、轟音の中目を閉じる。

 

ふと、自分の中にいくつも存在を感じる。

 

それは黒い液体の中に浮かぶ、無数の気体。

例えるなら、グラスのソーダ水の中の無数の球体。

 

血と糞尿が詰まった、皮袋

そこに浮かぶ無数の球体、大きさも当然違う。

色は黒か赤か、ドス黒い褐色か

二酸化炭素と共に吐き出される

 

それは思いか想いか、重い願いか

欲求か、願いか、絶望か

吐き出すものは様々だ。

 

そのまま気体として吐き出される物もあるだろう

気道と、声帯とくっつき声となる

 

それでも吐き出すものは

声にならない物もあるだろう

 

そんな思いや声が、無数にノイズと張り付いてロックになるんだろうな

 

欲求不満は生きる事だ。

 

 

そういえば、最近走っている。

走った当日から、両足はひどい筋肉痛だ。

 

何故走るのか

 

 

吐き出すものが、うまく人に伝わらない。

ライブでもスタジオでも私生活でも

 

今更、いや、改めて協調性がないからだろうな。

 

でも走っている自分を戒めながら、ちゃあはぜぇはぁと

情けない声を出して走っている。

 

まだまだまだまだま

 

もっと上手くなれる

もっと遠くまで行ける

もっともっとロック出来る

 

 

糞野郎、上手い気してるんじゃねぇ

糞野郎

 

ぜぇぜぇと汗をかく俺は紛れも底辺の糞野郎だ。

 

それでいい

 

これから上がっていくさ

無駄な、呼吸も次の音につながるはず

 

自己否定も悪くない

舞い上がった自分に喝

 

スタジオ入れるだけで幸せなんよ